●技法:ジクレー
ジクレとはフランス語で「スプレー、噴きつけ」という意味です。デジタル化された原画の画像情報をコンピュータを通じて再構築、版画紙に直接インクを噴きつけて刷り上げます。従来の版画の「版」にあたるものが、画像情報としてコンピュータの中に存在し正確に複製をコントロールしています。10年程前に誕生したこの技法は、現在では新規制作部数でリトグラフやシルクスクリーンを凌ぐシェアを確保するに至っています。
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●特徴:FGF工房による最新のデジタルプリンティング
従来の4色分解によって版を構成するプリント技術では4色間を継な中間色が存在せず結果的に色彩の表現に限界がありました。現在も4色分解で制作されるジクレは存在しますが、今回のジクレは従来の4色に加え中間色として別の4色が存在し、合計8色インクで圧倒的な色の表現力を獲得しています。この8色インクを更に「大・中・小」3種類の大きさの微粒子に細分化し、それぞれを複合的にかけ合わせることで、原画の色のみならず「タッチ」や「凹凸感」そして原画のキャンバスの網目までも含めた微妙なニュアンスを忠実に再現します。
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●"デジタルの版画師"がつくり上げる
日本で一早くジクレ技術を導入した工房FGF。FGFのオペレーターは、他の版画(リトグラフやシルクスクリーン)工房で実際に版画制作の習練を積み、かつ最新のデジタル技術にも精通しています。デジタルというと機械的な感じがしますが、実際の工程は色の解析、分解といった地道な作業を繰り返し一歩ずつ原画の世界に近づいていくものです。こうしてこれまで1,500以上の作品を複製画化してきました。
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●世界が認める実績
歴史的名作の「色の再現」には、そのパターンを数十種類試し刷りして、それらを修整、構築しながら最適の1枚へ辿り着きます。これまでも多くの美術展で採用され、その中でもフランスのマティス財団からは2005年の「金魚」に引き続き、本年度も「Festival
of Flowers,Nice」において、2年連続で、FGFのデジタル複製技術を"世界基準"として採用する通知を頂きました。実際にマティス財団から当該複製画の購入がなされています。他にもルノワール,ゴッホ,モネといった印象派から日本画まで幅広いジャンルで高い評価を獲得しています。
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